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たばこ規制の現状と今後の課題――FCTCの批准国として実効性のある規制・対策をどう進めるか?

 週刊医学界新聞 

 第69回日本公衆衛生学会開催

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02906_06

 

尾崎米厚氏(鳥取大):わが国の喫煙者は減少傾向にあるが,受動喫煙の曝露率は国際的にみても高いという。その背景には禁煙指導の不十分さがあるとし,喫煙の有害性を発信していくことを呼びかけた。

望月友美子氏(国立がん研究センター):喫煙者減少をめざした価格引き上げ案を提示。たばこ販売本数が年15%ペースで落ち込むことになっても,税収,企業収益共に上昇あるいは維持が可能だとして,実現可能な価格引き上げモデルを示した。

大和浩氏(産業医大):「タバコの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」批准後のわが国の受動喫煙対策を総括。2010年2月に公共的な場所での完全禁煙化が推奨され,5月には工場・事務室などでの禁煙が追加された。喫煙席や喫煙ルームの設置は分煙策として不十分だと主張。飲食店,ホテルなども含めた例外のない禁煙化を求めた。

座長=大阪府立健康科学センター・中村正和:現在初診より3か月間(5回の受診)のみに限定されている保険適用の要件緩和を求めた。また,効果的な禁煙勧奨策として,OTC,治療機関などに関する無料電話案内(Quitline)や健診時に禁煙を奨励する「メタバコ健診」を紹介。さらに,医療者の禁煙勧奨スキルの必要性を提唱し,J-STOP(Japan Smoking cessation Training Outreach Project)の活動を示した。

福田敬氏(東大):医療経済学の立場から,喫煙による経済的損失を分析。まず,2005年の推計値をもとに,(1)喫煙関連疾病の治療費を1兆7681億円,(2)消火活動や清掃など施設・環境面の管理コストを1918億円,(3)喫煙関連疾患による労働力損失を2兆3664億円と算出した。さらに,喫煙が原因で生じる疾患・障害に対する介護や喫煙目的の労働中断でも,それぞれ4760億円,1兆5604億円の損害が生じるという。