NEWSポストセブン別名「たばこ病」のCOPD「適量守れば禁煙の必要なし」と識者
この記事見出しは間違っています。私は呼吸器内科医・腫瘍内科医です。肺がん・COPDを毎日診察しています。
この記事の前半は正しい事を書いています。すわなち、
「COPDは喫煙、ちり、化学物質などを吸い込むことで起き、特に原因の9割はたばこの煙。喫煙者の2割が吸い始めてから20~30年後に発症するとされています。百害あって一利なしのたばこは止めるに越したことはありません」(東京都内の呼吸器科医師)
これは、正しいです。
しかし、中部大学教授の武田邦彦先生は医師でないのですが、なぜか、医学界の常識を真っ向から否定しています。
「もちろんCOPDにたばこが無関係だとは思いませんが、1日の喫煙本数×年数で700を超えなければCOPDの危険は高まらないといわれています。例えば25歳から60歳までの35年間、1日1箱(20本)を吸ったとしてちょうど700。つまり、1日1箱以内ならたばこも楽しみながら吸っていい。無理に禁煙することはありませんよ」(武田邦彦)
なぜ、医師でもない方が、このようなことを言われるのか分かりません。1日の喫煙本数×年数で700を超えなければCOPDの危険は高まらないということはなく、もっと少ない本数でCOPDにはなります。どのような根拠で言われているのでしょうか?
さらに、順天堂大学医学部教授の奥村康氏は免疫学の権威なのですが、残念ながら、間違った知識を披露されています。
「たばこを吸っている人のほうが口内炎ができにくいし、風邪もひきにくい。つまり、たばこを吸うと軽い炎症が起きるので、それが適度な刺激となって免疫力を上げることもあるのです」 (奥村康)
これは間違いではないでしょうか?風邪を引きにくいという事はないはずです。一般的には、喫煙すると抵抗力・免疫力が落ちます。肺結核・肺炎球菌肺炎・レジオネラ肺炎・インフルエンザにかかりやすくなります。
<参考>
COPD情報サイト
http://www.gold-jac.jp/about_copd/index.html
藤田まことさんと慢性閉塞性肺疾患(COPD)
http://smoke-free.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/copd-cc7b.html
新型インフルエンザとタバコ
http://smoke-free.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-4958.html
結核とタバコ -「ハリセンボン」の箕輪はるかさん
http://smoke-free.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-3c61.html