あなたの健康百科
http://kenko100.jp/news/2012/09/19/02
『喫煙グループのがん細胞で見つかった点突然変異(DNAやRNAの1つの塩基が別の塩基に置き換わること)の発現頻度が、喫煙したことがないグループの約10倍に上ることを、9月14日付の米科学誌「Cell」(2012; 150: 1121-1134)で明らかにした。しかも、抗がん薬の標的となる変異は喫煙したことがないグループで見られる傾向にあるという。』
これは、私も以前、がん細胞の細胞株で実験をしていましたので、よく知っており、実験の結果、遺伝子変異の多さに驚いた記憶があります。
最近の研究では、同じ肺腺がんでも喫煙者のがんと非喫煙者のがんとでは、全く違うがんといってもいい事が分かってきました。遺伝子の異常が喫煙者のがんに圧倒的に多く、難治性のがんであることが分かっています。非喫煙者のがんは最近の分子標的薬剤が良く効き、進行がんであっても比較的長生きできるようになってきました。
それらのことを改めて、全ゲノム解析を行う事で証明したのがこの研究です。それにしても10倍というのはすごいですね。それだけ、抗がん剤が効きが悪かったり、悪性度の高いがんであるわけですね。(禁煙センセイ)