免税店からタバコが消える?ーCOP5 2012/11/12から韓国で開催

免税店からタバコが消える?

朝鮮日報

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/06/2012110600667.html

「COP5 本日から韓国で」

COPとは、国際条約を結んだ国が集まる会議のことです。「生物の多様性に関する条約」はCOP10 が2010/10/18 から名古屋で行われました。覚えておられる方もいるかもしれません。

「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」(FCTC)はCOP5が2012/11/12から始まりました。たばこの需要を減らすため、免税店でのたばこの販売禁止を勧告するガイドラインが採択される見通しだそうです。
しかし、どのマスコミも取り上げないのは不思議ですね。

「喫煙は緩慢なる自殺」「喫煙者に自殺する人が多い。」ー悲しいけれども喫煙と自殺の切っても切れない関係

「喫煙は緩慢なる自殺」「喫煙者に自殺する人が多い。」ー悲しいけれども喫煙と自殺の切っても切れない関係

衝撃的な言葉です。受動喫煙は緩慢なる他殺という言葉もあります。
たばこを1本吸うと5-11分ほど寿命が短くなり、喫煙者は非喫煙者に比べて10年も早死にするという研究結果がいくつか出ています。
喫煙するという事は、自分自身をゆっくりと死に追いやる緩慢な自殺の様なものなのです。

この「喫煙は緩慢なる自殺」という言葉は、アメリカのジョセフ・アンソニー・カリファノ保健教育福祉長官の時代のSurgeon's General's Report 1979 の中で

Today there can be no doubt that smoking is truly slow-motion
suicide," と記載されました。

1979年当時としては、本当に勇気のいる言葉でした。なぜなら、任命したカーター大統領は、タバコ産業の支持のもと、当選していたからです。
案の定、この演説の後に圧力に屈したカーター大統領カリファノ氏は解任されました。その時の背景は、BBCワールド「タバコ戦争」 (2000/8/19 NHK放映) で述べられています。 彼の勇気には感嘆します。(このコラムの最後に書き出したものを掲載します。)

ところで、最近、喫煙と自殺について、マスコミとネットで誤った情報が流れているようです。

『ホンマでっか!?TV』武田邦彦 中部大学教授が言われたとのことですが、
「日本では1年に3万4000人が自殺する。自殺者を無作為に抽出して調査したところ自殺した2000人は喫煙者がゼロだった。」
というものです。
実は、これは、喫煙文化研究会(愛煙家通信) 呼びかけ人の一人でもある 奥村康 順天堂大学医学部教授
日本人は年に三万二千人が自殺する。そのうちの二千人くらいを調べたところ、たばこを吸う人が一人もいなかった。たばこは自殺防止にも役立つのではないか。』(愛煙家通信 http://aienka.jp/articles/003/ )という情報からの引用のようですね。

しかし、この奥村教授のデータはどのような論文からの引用なのでしょうか?(知っている方がおられたら、教えてください)。少し古い情報なのではないでしょうか? 現在では、喫煙者の方が、非喫煙者に比べて悲しい事ですが、自分で命を絶たれる方(自殺)が多いというのが一般的だからです。もちろん、タバコと自殺は相関関係であって、因果関係ではあり
ません。タバコを吸ったら自殺をするわけではないのです。ただ、奥村教授の書かれている自殺防止にも役立つというのは間違っていると思います。

 

 JPHC Studyという研究(信頼度が高い)では、日本人男性57,714人の前向き研究で、一日に吸う本数が多い喫煙者の自殺リスクが高い結果でした。(8)  http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/271.html 

他にも色々な研究があります。10万人以上の看護師を対象とした追跡調査で、1日に24本までの喫煙者で2倍、25本以上で4倍自殺が多いこともわかっています。(6)

観察研究でも、双生児 (2)や大学卒業生 (1)、高校生 (5) を対象とした調査では、喫煙者には自殺が多いことが観察されています。

   メタアナリシスという色々な研究の統合解析でも、喫煙と自殺は関係があるという結論でした。(12)
Lancet という権威ある雑誌の総説でも、タバコと自殺との関連が述べられています。(11) 

どうやら、タバコを吸う方の方が自殺は多いようですね。間違った情報に惑わされないで下さい。

<参考文献>

1.Paffenbarger RS, Jr., King SH, Wing AL. Chronic disease in former college students. IX. Characteristics in youth that predispose to suicide and accidental death in later life. Am J Public Health Nations Health. 1969 Jun;59(6):900-8.

2.Friberg L, Cederlof R, Lorich U, Lundman T, De Faire U. Mortality in twins in relation to smoking habits and alcohol problems. Arch Environ Health. 1973 Nov;27(5):294-304.

3.Doll R, Gray R, Hafner B, Peto R. Mortality in relation to smoking: 22 years' observations on female British doctors. Br Med J. 1980 Apr 5;280(6219):967-71.

4.Rogot E, Murray JL. Smoking and causes of death among U.S. veterans: 16 years of observation. Public Health Rep. 1980 May-Jun;95(3):213-22.

5.Garrison CZ, McKeown RE, Valois RF, Vincent ML. Aggression, substance use, and suicidal behaviors in high school students. Am J Public Health. 1993 Feb;83(2):179-84.

6.Hemenway D, Solnick SJ, Colditz GA. Smoking and suicide among nurses. Am J Public Health. 1993 Feb;83(2):249-51.

7.Shaffer D. Suicide: risk factors and the public health. Am J Public Health. 1993 Feb;83(2):171-2.

8.Iwasaki M, Akechi T, Uchitomi Y, Tsugane S. Cigarette smoking and completed suicide among middle-aged men: a population-based cohort study in Japan. Ann Epidemiol. 2005 Apr;15(4):286-92.

9.Bronisch T, Hofler M, Lieb R. Smoking predicts suicidality: findings from a prospective community study. J Affect Disord. 2008 May;108(1-2):135-45.

10.Hughes JR. Smoking and suicide: a brief overview. Drug Alcohol Depend. 2008 Dec 1;98(3):169-78.

11.Hawton K, van Heeringen K. Suicide. Lancet. 2009 Apr 18;373(9672):1372-81.

12.Li D, Yang X, Ge Z, Hao Y, Wang Q, Liu F, et al. Cigarette smoking and risk of completed suicide: a meta-analysis of prospective cohort studies. J Psychiatr Res. 2012 Oct;46(10):1257-66.

<BBCワールド「タバコ戦争」より 2000/8/19 NHK放映>

ナレーター:しかし政治の世界では、イギリスでもアメリカでも、タバコ反対のプラカードを掲げる人はいませんでした。
しかし1976年、ワシントンで変化が起こります。
ジミー・カーター:私ジミー・カーターは、アメリカ大統領の任務を誠実に果たすことを誓います。
ナレーター:カーター氏は、タバコ産業を支持したおかげで大統領に選ばれました。
しかし、厚生長官にジョセフ・カリファーノ氏を選び、これが後にあだとなります。
ペプルズ:カリファーノ氏は、すい星のように現れたのです。
ナレーター:カリファーノ氏です。
カリファーノ:タバコ業界は、わたしを危険な存在と考えたんです。
ペプルズ:彼は、元喫煙者にしかできないやり方でキャンペーンを展開したんです。
ナレーター:カリファーノ氏がタバコ反対運動を政策の中心に据えたのは、次のようないきさつがあったからです。
カリファーノ:うちの省に勤めてくれる職員を探して医者150人ほどと面接したんですが、だれもが「健康の促進と病気の予防を真剣に考えるなら、喫煙についてなんとかしないかぎり無理だ」と口をそろえました。
ナレーター:タバコ産業の反応は素早いものでした。
カリファーノ:タバコ業界は、わたしがタバコの喫煙に関し演説をすると聞きつけると、前もってその内容のコピーを送ってくれと言ってきたんです。タバコに関する政府の声明に関しては、いつもあらかじめ内容を伝えてもらっていたというのです。そこでわたしは「そういう時代はもう終わったんだ」と言ったんですが、今度はホワイトハウスからコピーを要求してきたのには驚きました。
ナレーター:元ホワイトハウスの保健問題顧問、ボーン氏です。
ボーン:大統領が自分自身の支持基盤のことを心配しているときに、思い切ったことをしてだいじょうぶかと心配したのです。
ナレーター:大統領顧問だったボーンさんは、この演説がホワイトハウスに及ぼす影響を心配していたのです。
カリファーノ:わたしはボーンさんに「もし大統領がコピーが必要だとおっしゃるなら、電話をしてもらえればすぐにお渡しする。だが、大統領以外のどの側近にも渡すつもりはない」と言ったんです。
ナレーター:カリファーノ氏はキャンペーンを決行しました。
1978年、カリファーノ氏は「喫煙は、これまで考えられていたよりはるかに危険であったことがわかった」と発表します。
タバコ会社は、ワシントンに新しい敵が生まれたことを知ります。
カリファーノ:戦争の始まりでした。
ナレーター:タバコ協会のドゥーイヤー氏は「カリファーノ氏が大好きな遊びや酒をやめるかが見ものだ」と国民に語りかけました。
民主党幹部は、再選を果たすためにはカリファーノ氏の存在が危険だと感じ始めます。
ボーン:当時ノースカロライナ州の知事だったジム・ハント氏から電話があって、「カリファーノ氏の口をふさげないならノースカロライナの票はあきらめてほしい、と大統領に伝えてくれ」と言ってきたんです。
カリファーノ:キャンペーンを中止にするなど考えてもみませんでした。今していることは正しいのだから、時間をかければみんなにわかってもらえるだろうと思っていたのです。わたしはホワイトハウスとは政治的な観点も異なっていました。どの州の人も、我々の言っていることのほうが本当だと知っていると信じていました。肺気腫やほかの肺の病気で親族を亡くしていないアメリカ人など、ほとんどいませんでしたからね。
ジミー・カーター:アメリカには、タバコ産業に生活を頼っている家族は200万を数えるのです。
ナレーター:カーター大統領は、再選を果たすためにタバコ業界から信頼を取り戻そうと努力しましたが、業界からの圧力は大変なものでした。
ボーン:タバコ業界の態度ははっきりしていました。「カーター大統領の再選を支持するが、条件がある」というわけです。それはタバコの健康問題で厳しい路線をとらないという条件でした。
ナレーター:カリファーノ氏は解任されました。
カリファーノ:「今回の決定に関し、だれを非難するか」というのはいい質問ですね。カーター大統領がわたしを解任したのは、タバコ業界からの圧力のせいです。カーター氏も、今ならその事実を認めるんじゃないでしょうか。
ナレーター:タバコ業界は、20年にわたり科学的な研究結果と法規制を相手に闘い続け、ついには、その前に立ちはだかった政治家をも追放したのです。
反対勢力の拡大と喫煙率の低下にもかかわらず、タバコ業界は1980年代までには嵐を切り抜けます。しかしその「事実の隠ぺいと否定」の歴史はとてつもなく長いものです。

そして、その事実が明らかになるとき、タバコ業界はただこうべを垂れるしかないのです。

禁煙条例施行の町、心筋梗塞が3割超ダウン

QlifePro

http://www.qlifepro.com/news/20121105/myocardial-infarction-and-city-smoking-...

 『10月29日付、The New York Timesが発信する情報系サイトWellによると、専門家らの調査により、禁煙条例の施行で、副流煙を吸入する頻度が減り、結果、心臓発作の減少につながったとする有力な証拠が見つかった。』

 

禁煙条例は、心筋梗塞の発症は間違いなく下げるようですね。(禁煙センセイ)

受動喫煙防止対策の徹底について-厚生労働省

受動喫煙防止対策の徹底について

厚生労働省健康局長

 

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/dl/tu...

 

 

 

『今後の受動喫煙防止対策の基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである。

一方で、全面禁煙が極めて困難な場合等においては、当面、施設の態様や利用者のニーズに応 じた適切な受動喫煙防止対策を進めることとする。

また、特に、屋外であっても子どもの利用が想定される公共的な空間では、 受動喫煙防止のための配慮が必要である。』